育成就労制度で必要な社内支援体制とは?

育成就労責任者・育成就労指導員・生活相談員を解説

育成就労制度では、外国人材を受け入れる企業に対して、適切な社内支援体制の整備が求められます。

単に外国人材を雇用するだけではなく、技能を計画的に育成し、日本で安定して働き、生活できるように支援する体制を整えることが重要です。

この記事では、外国人材の受入れを検討している企業向けに、育成就労責任者・育成就労指導員・生活相談員の役割と、社内支援体制を整える際の注意点をわかりやすく整理します。

育成就労制度の全体像や、企業が確認すべき基本ポイントについては、以下の記事で解説しています。

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特に、受入れ企業では、社内支援体制の中心となる担当者として、主に次の者を選任する必要があります。

  • 育成就労責任者
  • 育成就労指導員
  • 生活相談員

育成就労制度では社内支援体制が重要

育成就労制度は、人材確保が必要な分野において外国人材を受け入れ、日本での就労を通じて技能を育成する制度です。

そのため、企業には、外国人材に仕事を任せるだけでなく、育成就労計画に沿って技能を身につけられるよう指導し、生活面でも必要な相談・支援を行う体制が求められます。

関係資料では、育成就労実施者の要件として、育成就労責任者、育成就労指導員、生活相談員の選任が示されています。あわせて、育成就労外国人の健康状態や生活状況を把握するための措置、指導体制、継続して育成就労を行わせる体制の整備なども求められています。

つまり、育成就労制度では、申請書類を整えるだけでは不十分です。

実際に社内で、技能指導、生活相談、法令遵守、トラブル対応ができる体制を作ることが重要になります。

担当者主な役割確認すべき点
育成就労責任者社内体制全体の管理・監督監督できる立場、常勤性、養成講習
育成就労指導員現場での技能指導常勤性、5年以上の経験、養成講習
生活相談員生活面の相談・助言常勤性、相談しやすい体制、養成講習

育成就労責任者とは

育成就労責任者は、育成就労制度に関わる社内体制全体を管理・監督する役割を担います。

具体的には、育成就労指導員、生活相談員、その他育成就労に関与する職員を監督できる立場の人が想定されています。

育成就労責任者については、育成就労指導員や生活相談員などを監督できる立場にあることが重要です。また、関係資料では、過去3年以内に養成講習を修了した常勤の職員であることが要件として示されています。

企業側では、単に名前だけを置くのではなく、実際に現場の指導状況や生活相談体制を把握し、必要な対応を判断できる人を選任することが大切です。

特に中小企業では、誰を責任者にするのか、現場管理者で足りるのか、他の担当者との役割分担をどのように整理するのか、といった点で悩むことがあります。

育成就労責任者は、制度全体を社内で機能させるための中心的な役割といえます。

育成就労指導員とは

育成就労指導員は、育成就労外国人に対して、実際の業務に必要な技能を指導する役割を担います。

育成就労制度は、就労を通じて技能を育成する制度です。そのため、現場でどのように指導するかは非常に重要です。

育成就労指導員については、育成就労を行わせる事業所に所属する常勤の職員であり、従事させる業務に必要な技能について5年以上の経験を有することが前提になります。また、関係資料では、過去3年以内に養成講習を修了した者であることが要件として示されています。

ここで企業が注意すべきなのは、単に「現場に詳しい人」であればよいわけではないという点です。

担当する業務に必要な技能について、一定の実務経験があるかどうかを確認する必要があります。

また、育成就労計画の内容と、実際の現場で行う指導内容が一致しているかも重要です。

たとえば、計画上は特定の技能を育成することになっているにもかかわらず、実際には単純作業だけを行わせているような状態では、制度の趣旨に合いません。

育成就労指導員は、外国人材を単なる労働力として扱うのではなく、計画的に技能を育成するための現場のキーパーソンです。

生活相談員とは

生活相談員は、育成就労外国人の生活面に関する相談・助言を担当する役割です。

外国人材の受入れでは、仕事だけでなく、日本での生活環境も非常に重要です。

たとえば、次のような相談が想定されます。

  • 住居や生活ルールに関すること
  • 公的手続に関すること
  • 職場や日常生活での困りごと
  • 体調不良やトラブル時の相談
  • 日本のルールや習慣に関する不安
  • 地域社会での生活に関すること

生活相談員については、育成就労を行わせる事業所に所属する常勤の職員であることが前提になります。また、関係資料では、過去3年以内に養成講習を修了した者であることが要件として示されています。

また、生活相談員には、単に相談を受けるだけでなく、育成就労外国人が日本で生活するうえで注意すべき事項について助言する役割もあります。

たとえば、本人の出身国では問題とされにくい行為であっても、日本では犯罪やトラブルにつながる場合があります。また、犯罪にはならなくても、地域生活や職場でのマナーとして注意が必要なこともあります。

生活相談員は、このような問題を未然に防ぐためにも重要な役割を担います。

そのため、形式的に担当者を置くだけでは不十分です。外国人本人が実際に相談しやすい環境を作ることが大切です。

養成講習の受講も重要

育成就労制度では、育成就労責任者、育成就労指導員、生活相談員を選任するにあたり、それぞれに対応した養成講習を受講していることが求められます。

また、選任した後も、継続して3年ごとに養成講習を受講する必要があります。

そのため、企業は「誰を担当者にするか」だけでなく、担当者が必要な講習を受けているか、いつ受講したか、次回の受講時期はいつかを管理しておくことが大切です。

なお、制度開始時には、技能実習制度から育成就労制度へ移行するための経過措置があります。

これは簡単にいうと、技能実習制度のもとで、育成就労制度の役割に対応する講習をすでに受けている場合には、一定の範囲で、育成就労制度の養成講習を受けたものとして扱われることがあるというものです。

たとえば、次のような対応関係になります。

育成就労制度での役割対応する技能実習制度の講習
育成就労責任者技能実習責任者講習
育成就労指導員技能実習指導員講習
生活相談員生活指導員講習

つまり、単に「技能実習制度の講習を受けていれば何でもよい」というわけではありません。

育成就労責任者に選任するなら、技能実習責任者講習。 育成就労指導員に選任するなら、技能実習指導員講習。 生活相談員に選任するなら、生活指導員講習。

このように、選任する役割に対応した講習を受けているかを確認する必要があります。

また、過去に講習を受けていたとしても、受講時期が古い場合には注意が必要です。育成就労制度では、担当者に選任した後も3年ごとの受講が求められるため、受講日や有効に扱われる期間を確認しておく必要があります。

企業としては、制度開始前から、担当候補者ごとに次の点を整理しておくと安心です。

  • 誰を育成就労責任者にするか
  • 誰を育成就労指導員にするか
  • 誰を生活相談員にするか
  • それぞれの人が、どの講習を受けているか
  • その講習をいつ受けたか
  • 次に講習を受ける必要がある時期はいつか

経過措置は、技能実習制度から育成就労制度へ円滑に移行するための仕組みです。

ただし、講習の種類や受講時期によって扱いが変わる可能性があるため、自社の担当者が要件を満たすかどうかは、個別に確認することが重要です。

担当者の配置・役割分担で注意すべきこと

企業が気になる点の一つが、育成就労責任者、育成就労指導員、生活相談員をどのように配置するかという点です。

これらの担当者には、それぞれ役割と要件が定められています。

育成就労責任者は、育成就労指導員、生活相談員、その他育成就労に関与する職員を監督できる立場の人とされています。

育成就労指導員は、現場で技能指導を担当する人です。従事させる業務に必要な技能について、5年以上の経験を有していることが求められます。

生活相談員は、育成就労外国人の生活面に関する相談・助言を担当します。

そのため、企業としては、単に形式上の担当者を置くだけでなく、それぞれの役割が実際に機能する配置になっているかを確認することが大切です。

特に、1人に役割が集中しすぎると、技能指導や生活相談が十分に行えないおそれがあります。

育成就労外国人の人数、事業所の体制、現場での指導体制、生活相談への対応方法などを踏まえて、無理のない役割分担を検討する必要があります。

企業が悩みやすいポイント

育成就労制度で社内支援体制を整える際、企業が悩みやすいのは次のような点です。

  • 誰を育成就労責任者にするべきか
  • 育成就労指導員の「5年以上の経験」をどう確認するか
  • 生活相談員にはどのような人が適しているか
  • 担当者の配置や役割分担をどのように整理するか
  • 常勤性をどのように確認するか
  • 養成講習の受講状況をどう管理するか
  • 生活相談体制をどこまで整えるべきか
  • 外国人本人が相談しやすい環境をどう作るか
  • 受入れ後のトラブルにどう対応するか
  • 育成就労計画と実際の業務内容をどう一致させるか

これらは、制度の概要を読むだけでは判断しにくい部分です。

特に中小企業では、人員に限りがあるため、担当者の選任、役割分担、生活相談体制の整備で悩むケースが想定されます。

そのため、自社の事業内容、職場環境、受け入れる外国人材の人数、業務内容に合わせて、具体的に体制を整理することが大切です。

社内支援体制を整える際の注意点

育成就労制度の社内支援体制を考える際には、次の点を確認しておくとよいでしょう。

まず、育成就労責任者、育成就労指導員、生活相談員について、それぞれの要件を満たす候補者がいるか確認します。

次に、候補者の常勤性、実務経験、養成講習の受講状況を整理します。

さらに、育成就労外国人が実際に働き始めた後に、誰が技能指導を行い、誰が生活相談を受け、問題が起きた場合に誰が対応するのかを明確にしておく必要があります。

特に生活相談については、「担当者を決めたから終わり」ではありません。

外国人本人が相談しやすい雰囲気を作り、必要に応じて通訳や外部機関との連携も検討することが重要です。

育成就労制度では、外国人本人の技能育成だけでなく、適正な就労環境と生活面の安定も重視されています。

そのため、社内支援体制は、申請のためだけに整えるものではなく、受入れ後も実際に機能する体制として準備する必要があります。

制度開始前後は、運用や実務上の取扱いが更新される可能性もあるため、最新の公式情報を確認しながら準備を進めることが大切です。

まとめ

育成就労制度では、外国人材を受け入れる企業に対して、社内支援体制の整備が求められます。

特に重要なのは、育成就労責任者、育成就労指導員、生活相談員の選任です。

これらの担当者は、単に形式的に名前を置けばよいものではありません。

育成就労責任者は社内体制全体を管理・監督し、育成就労指導員は現場で技能を指導し、生活相談員は外国人本人の生活面の相談・助言を担当します。

また、これらの担当者については、養成講習の受講や、選任後の継続的な受講管理も重要になります。

育成就労制度を利用する可能性がある企業は、制度開始後に慌てないよう、早めに自社の社内体制を確認しておくことが大切です。

育成就労制度・外国人材受入れのご相談について

当事務所では、在留資格申請、外国人雇用、外国人材受入れに関するご相談を承っています。

育成就労制度については、今後の制度運用や公式情報を確認しながら、外国人材の受入れ準備、必要書類の確認、在留資格手続に関するご相談に対応いたします。

また、育成就労責任者・育成就労指導員・生活相談員など、受入れ体制に関する情報整理についても、必要に応じて確認をお手伝いいたします。

外国人材の受入れを検討している企業様は、お気軽にご相談ください。

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